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セラアナトミカ

2008年02月25日 18:59 written by Teisuke Morimoto

SELLE AN-ATOMICA(セラ・アナトミカ)はウィスコンシン州でハンドメイドされる皮製サドルだ。


同社の歴史はまだ浅く、2006年からプロダクションを立ち上げている。それ以前は英国ブルックス社製サドルをモディファイしてしていたが、2006年からは生産拠点をウィスコンシン州にシフトしている。


「ブルックスの横を切って真ん中に穴を開けただけ」と言ってしまえばそれだけだが、ブルックスとの大きな違いは、ウォーターシェッド(防水)モデルが存在することだ。また、皮自体もブルックスよりも僅かに薄くなっており、長さも前後に延長されている。重さは約480g。通常のサドルよりも200〜300gほど重いが、このサドルは重量以上のメリットを与えてくれるのだ。


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セラ・アナトミカのサドルは4モデルが輸入されており、ウォーターシェッド、通常のレザー、体重55kg以下のライダー向けの通常のレザー、そしてウォーターシェッドの上にさらにオーストリッチの本皮を張ったモデルが存在する。

まず、ほとんどのライダーがウォーターシェッドか通常レザーのどちらからで迷うことになるが、一年中、雨の中、泥の中でも走りたい、というハードコアなライダーは迷い無くウォーターシェッドを選ぶべきだ。ブルックスには無い、大きなアドバンテージになる。ただし、価格は通常レザーから+4,200円にになる。


雨の中はそんなに走らない、というライダーなら通常レザーを選ぶべきだ。あくまでも個人的な主観によるが、皮の質感が通常レザーの方が良い。ウォーターシェッドは皮がラミネートされているため、のっぺりとした質感に感じる。何より、通常レザーは日々のメンテナンスを要求して来る。そのため、ワックスなどに手入れが必要だが、手入れを重ねることに皮に独特の雰囲気が出てきて、いかにも使い込んでいる感が出る。なので、長距離レーサーなど、一部のライダーを除き、通常レザーモデルを選ぶ方がいいだろう。


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一番向こうのピンクから一番手前のブラックまで全てオーストリッチモデル。NAHBSにて。


そして、オーストリッチモデル。このサドルは質感が本当に素晴らしい。エルメスが自転車用サドルを作ったら、この様になるのでは無いか?と思わせる仕上がりだ。ウォーターシェッドの上にオーストリッチの皮を張る手の込んだ手法が使われている。もちろん、水濡れ厳禁。7色が用意されているが、どうせ選ぶなら、グリーンやピンクなど派手なカラーを選びたい。価格も仕上がりに相応しく、46,200円となる。


セラアナトミカを選ぶ最大の利点は、皮のテンション(張り)を調整できることだ。サドルのノーズ部分にあるボルトを回してテンションを変えることができる。この会社には日本人が在籍しており、A3を二つ折りした詳細な日本語マニュアルが付属する。内容なサドルのセッティング、メンテナンス方だけに留まらず、サドル高の決定方法、ハンドル位置の調整、ブレーキレバーの位置、シートポストの選び方など多岐に渡る。このマニュアルだけでも一読の価値がある。このマニュアルをチェックして、自分にあったサドルのテンションを探す行為自体がゲーム感覚で非常に楽しい。


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左がスノープルーフ、右がレザー・コンディショナー


通常レザーモデルは普段のメンテナンスを要求する。レザー・コンディショナーをトップに、スノープルーフを裏側に使用する。スノープルーフは防水効果があるため、サドル裏側に塗っておくと、タイヤが巻き上げた泥などが染みにくくなる。また、事前に雨天走行が予想できる場合は、トップにも塗布しておくと、ある程度の防水効果が期待できるという。こうやってメンテナンスを日々行うと、愛着が沸いて来る。プラスティック・ベースのサドルは使い込んでも、「ボロいだけ」という感じになりがちだが、皮サドルはそれが「味」になる。一生このサドルを使うことだって可能だ。普段使いはもちろん、大滝などへの参戦も考えているなら、ウォーターシェッド(防水)モデルが最高だろう。サドル(鞍)がカウボーイの魂なら、皮サドルも我々サイクリストの魂。快適な皮サドルをお探しなら、是非、チャレンジして欲しい。



こちらはペダリング時にサドルの裏側から皮の動きを捉えたもの。左右の座骨の動きに合わせて皮が微妙にしなるのを見ることができ、段差では全体的に皮がショックを吸収して衝撃を緩和しているのが判る。2分10秒からのセクションでは、左の座骨の方が左よりも大きく上下しているのが確認でき、これはほとん人が完璧に左右均等にペダリングしている訳では無い、ということを表している。


SELLE AN-ATOMICA
http://www.diatechproducts.com/sellanatomica/sell_an_atomica.html


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