ホーム > ニュース

松本駿: SDA王滝120kmレースレポート

2007年09月26日 15:02 written by Teisuke Morimoto

大会名:セルフディスカバリーアドベンチャーイン王滝120km
期日:9月16日  会場:長野県木曽郡王滝村 天候:曇りのち雨 コース:ウエット 107キロ
使用機材 バイク:TREK / FUEL EX9.5 サス:ROCKSHOX / RIBA TEAM 
タイヤ:Bontrager /フロント&リア・リボルトスーパーX26x2.2(2.0psl)(スーパージュース80ml)
ヘルメット:TREK/ソニック ハイドレーション:ハイドラパック   
結果:優勝 武井 京介(フォルツァ) 5:13:10    
2位 松本 駿(トレック)  5:17:17
3位 千田 尚孝(KHS)5:20:31


 昨年120km2勝目をあげてから、ちょうど2年。もはや敵なしの王滝キングも自分が最大のライバルであり、自己記録との戦いであった。万全の体制で日々トレーニングするつもりが、1週間前からのじん麻疹と持病の鼻炎との格闘の日々が続く。体調も悪く、不安が残る2日前。しかし前日には、いつもの感じを取り戻して調整が終わった。会場までの移動する車中で、朝食を済ませながら会場へ到着。受付を済まし、コース変更を知らされスタート時刻も変更されていた。“しまった!”と心の中で雄叫びをあげ、自分の中での完璧に近いまで準備を整えているハズが、大きくリズムを崩し始めていた。原則的には、前日受付が基本なのだから、従わない自分のミスだ。そのなかでも、大きな影響は、数日前の崖崩れで初めの登りと最後のコースが通れず、コースレイアウトが大幅に変更され107キロに短縮されたことだった。距離が短いだけでなく、舗装区間が増え峠も2つほど消えたことにより、スピードが上がるし参考タイムも短縮される事が予想された。雨予報も仲間の情報から聞き、不安は多くなる一方だった。


 長蛇の列で約1000名の選手が流れるようにパレード走行から100㌔と120㌔クラスはスタートする。いつもよりも長い8㌔ほどの区間の舗装路を先導車と一緒にゆっくりと集団で流れるように進む。九十九折がないので後ろを眺めることはできないが、何気ない会話や思い出話をしながら、レースは始まって行った・・・。王滝の深い山々は、上部は雲に隠れ見ることができない。しかも、初めの登りから勇気ある挑戦者がハイペースで走る故に自然な流れで、ハイペースな展開で開始してゆく。しかしながら、あっという間にパックを振り落とし、KHSの千田、フォルッツア武井と自分との3人パックで展開は進む。お互いの調子やコンディションを聞き出すかのように、会話もしながら、サルの群れに数回遭遇し、小熊や猪にまで遭遇し、大自然との王滝であり、サバイバルレースを感じさせてくれる。
数回の小さな峠をクリアして、舗装区間へと進む。牽制するように3人で進んでゆくが、まるでロードレースのような展開で、マウンテンバイクらしくない感じで嫌だった。そして、しばらく進み2つトンネルをクリアしてゆく。もちろん準備不足だったので初めの2個は短かったからライト無しでOKだったが、さすがに3個目のトンネルが長く出口の光しか見えない。一瞬前方の選手で光りを遮られ、真っ暗な状況。目を閉じたと同じ状況で見えなくなり“ヤバイ!”と思った瞬間に、壁にシューズ側面とハンドルのエンド部が激突してしまった!!ビビリながらも、転倒も無く通過できたことだけでもヨシとして、再び進んで行く。
 

 登りに差し掛かり、腰に違和感を感じつつも20キロループを周回して本コースへ合流。100㌔クラスを上手く交わしつつ、リズムを崩さないように通過する。下りに差し掛かり、中間地点まで一気に下ってゆく。カーブをイメージしつつ、幅広い林道ではあるが、尖った石や段差が多く瞬時に判断と抜重でクリア。適切な“王滝ライン”をすり抜けて行く。
ちょうど中間地点でフラットになるところで、パワージェルを口に流し込み補給しながら進むが、いつもと何かが違う自分だった。自分のリズムで走れなく、3人の中で2人のペースに嵌められている状況だった。水分もとり、体の調子の回復を様子見る。苦しいけれど、練習不足ではなく、ツーリングで走るペース。守りに走る自分がいつの間に変化していた。これではいけない!と思っている矢先に千田が先頭を引き一気にペースを上げ、3人のパックから次第に付いてゆけなくなる・・・。

“自分の実力は、ここまでか?本当に終わってしまうのか??”


 自分との葛藤。逃避という弱音を吐こうとする気持ち。冷静に振り切って、楽しもうジャンね!!モウイチド!!持ち前のマイペースな自分の気持がカムバックしてきた。
淡々と走ると自分との戦いであり、辛いのも加速してくる。それでも、自分のペースで走る喜び。大自然との調和。コーナーや岩や轍全てをすり抜ける楽しさ。登りの息苦しい中で、加速していくバイクと共に見えてくる景色。マウンテンバイクの魅力全てが、推進力へと繋がっていった。更には、共に走りながら100㌔の選手の皆様から応援を頂き、目的は違えど走る喜びは同じなんだ!と再び力がこみ上げてくる。
次第にペースは前半以上のペースで走り、山の中腹に見えるこれから進む林道の道が数回見える箇所に到達。第3チェックポイント数キロ手前で、2位を行く千田を捕らえチェックポイント通過と同時に2位に浮上。再び前を追う形で、タイム差が分からなければペースが下がっていることすらも分からない。それでも、キングという誇りと自らの実力を信じて進んでゆく。最後の峠が見えてくる。それと同時に先頭で行く、武井が見えてきた!!ペースが下がっているのも確認でき、あっという間に登りきるあたりで交わし、フラット区間を過ぎ下りへと進んでゆく。後ろからは、武井が追ってくる。わくわくする瞬間。100キロ過ぎてから、未だ決着はもつれ込んでいるなんて考えられないが、デットヒートなんて嬉しい限りだ。次第に今の展開状況ではなく、ゴールまでをどう展開するか?と冷静に考えている自分がいた。数回離れたりもしたが、ぴったりと着いて来る。自分の実力を相手には充分見せ付けているが、欲は当然深まってくる。コーナーを緩めにすり抜け、オーバーランも作戦のうちとして見せつけカウントは開始か?と思っていたその時、コーナーで後輪が地面を捉えてくれない。“!”パンクだ。武井に言葉と共に肩を叩かれ、自分への怒りと共に立ち止まる。勝負はそこであっけなく決ってしまい、エアを補充するも気持ちと同じ効果音で“ブシューッ”と、終わっていった。リペアするのも方法だが、残りの距離もわずかで3位に下がるのも悔しいので、そのままゴールへと進んだ。


 思い返せば、全ては、時分次第。バイクセッテイングも、焦りと共にXCセッティングをしてしまった自分の大きなミス。来年のリベンジと共に、更なる自分への可能性を信じて挑戦は続けて行きたい。応援してくださった皆様、スポンサー各社の皆様有難うございました。

TREK 松本駿


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.bikedaily.net/mt/mt-tb.cgi/592

« マティ・レヒコイネンはMS- INTENSE RACINGへ | メイン | パノラマキッズレース&4クロスチャレンジ申し込み延長[プレスリリース] »

この記事のトラックバック

Powered by
movabletype
movabletype