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世界選DHエリートはサム・ヒルとサブリナ・ジョニエが二連覇

2007年09月10日 15:44 written by Teisuke Morimoto

9月9日、スコットランドのフォートウィリアムには1万人以上の観客が詰めかけ、世界選手権DH決勝が開催された。このレースウィークは強風と雨により選手は悩まされることになり、それはリザルトに如実に表れることになった。


[続きを読むを押すと、サム・ヒルの決勝ラン動画が貼ってあるため、音がでます]


日本人選手はエリート男子のカテゴリーには残念ながら候補者辞退により出場者がおらず、エリート女子から末政実緒、ジュニア男子から三木洋介、門脇祥の計3名が出走した。


ジュニア男子はイギリスの期待の新星、リアルド・カニンガムが優勝、2位はアメリカのJDスワングェンが入っている。アメリカがDHでメダルを獲得するのは2004年にフランスのレジェでカイル・ストレイトが3位に入賞して以来で、近年低迷が続く米DH界には朗報と言えるだろう。また、FR界のスター、キャメロン・マッコールの弟、タイラー・マッコールも出場しており、こちらは18位となっている。優勝が最も期待されたジョシュ・ブライスランドは後輪のパンクにより、35位に終わっている。現全日本ジュニアDH王者の三木洋介は52位、昨年の全日本ジュニア王者の門脇祥は48位でフィニッシュした。門脇は昨年の世界戦ではトップから20秒遅れの23位でゴールしているが、今年は48位でトップから55秒遅れだ。ヨーロッパでの開催と、レベルの高いイギリスということもあり、ハイレベルな戦いになった模様だ。


エリート女子はサブリナ・ジョニエがレイチェル・アサートンに4秒の大差で世界戦二連覇、6位に末政実緒が入っている。自身のブログではこの様に記している。


あんまり得意じゃないこのコース(確か最高で9位ぐらい)で6位だったので、今回は良い走りが出来たかなと思います。


男子エリートはセドリック・グラシアが4Xで転倒して手首を骨折、残念ながらDNSとなった。また、地元のスター、スティーブ・ピートは優勝を最も期待される所だったが、今年の2月には踵を骨折7月には足首を脱臼するなど怪我の影響が心配され、セラピストにより毎日数時間の治療が行われていた。チームメイトのネイザン・レニーも数ヶ月前に木に激突して脱臼した肩が練習中に瞬間的に再び脱臼し、元の位置に戻るというアクシデントが起こるなど、サンタクルズチームはジョシュ・ブライスランドのパンクに続き、全くツキの無い週末となってしまった。


IMG_3529.JPG
Photo: Kathy Sessler


ホットシートには出走順の早かったスペインのパスカル・カナルが座り続けるが、次第に雨が降り出し、コンディションは悪化していく。シーディングランを24位とし、比較的早い出走だったサム・ヒルがスタートした頃には完全にコースはウェットとなり、Freecasterのライブ映像でもはっきりと雨粒が見て取れるようになった。しかし、サム・ヒルの走りは驚異的で、フラットペダルを使用するためにペダリングコースは苦手だと言われているものの、終盤付近の力強いペダリングと、スピードを落とさない走りは他を寄せ付けず、ホットシートを奪取する。シーディング18位だったファビアン・バレルがサム・ヒルまで0.64まで迫るが、届かず2位、シーディング13位だったスティーブ・ピートが出走する頃には雨が最も激しく、その影響かスタート直後の木製ブリッジでバイクがスリップ、両足がバイクから離れ、サドルに全体重を乗せて着地してしまい、サドルを破損。以降はペダリングできず、レースを失ってしまう。リフトにバイクのサドルを引っかけて運搬する際に、強風であおられたため、サドルが緩んでいたよう。ジー・アサートンが3位でゴールし、残るはグレッグ・ミナーのみ。しかし明かに中間タイムも遅く、ゴールでは+7.95。サム・ヒルの二連覇が確定した。


今回のレースは強風が吹き荒れている状況が多く、スタート直後からはコース上に遮るものが一切無かったため、スティーブ・ピートもその凄まじさをレース後に語っている。そのため、ほぼ全員の選手がスキンスーツを着用して空力を意識したものの、比較的大柄な選手は軒並み下位に沈んでしまうことになった。サム・ヒルは欧米人としてはかなり小柄で、このことも有利に働いた一因とも言える。サム・ヒルが二連覇し、ニコ・ブイヨズが君臨したようにヒルの一強時代になるのか、という点も興味深いが、昨年の世界戦で転倒して泣いたサム・ブレンキンソップが初のエリートカテゴリーでいきなり一桁の9位、ジュニア男子優勝のリアルド・カニンガム、2位のJDスワングェン、パンクのためリザルトが残らなかったもののジョシュ・ブライスランドなど期待の若手が成長著しい。


大会自体もFreecasterにより高品質のQT方式で生中継(アメリカは権利関係の問題で視聴不可だったようだ)されるなど、新しい試みも行われ、海外のファンも喜ばせることになった。ホンダ撤退のニュースなどもあったが、DH界の未来は輝かしい希望に満ちあふれていると感じさせる大会だった。



DH Junior Women Final Results
1. Floriane PUGIN [FRA] 5:06.51 5:50.18
2. Katy CURD [GBR] 5:35.23 6:17.30 + 27.12
3. Myriam NICOLE [FRA] 5:56.94 6:41.48 + 51.30
4. Aurea AGOSTINHO [POR] 5:57.46 6:44.33 + 54.15
5. Holly KERNOHAN-SMITH [NZL] 6:01.39 6:53.46 +1:03.28
6. Anne LAPLANTE [CAN] 6:15.51 7:01.95 +1:11.77
7. Christina PINNEY [USA] 8:27.56 9:19.59 +3:29.41
MILLER Miranda [CAN] DNF
BUCHANAN Caroline [AUS] DNS


DH Junior Men Final Results
1. Ruaridh CUNNINGHAM [GBR] 4:29.17 5:06.82
2. John SWANGUEN [USA] 4:31.08 5:08.89 +2.07
3. Matthew SCOLES [NZL] 4:31.69 5:09.27 +2.45
4. Mitchell DELFS [AUS] 4:31.55 5:09.63 +2.81
5. Joel BAIN [AUS] 4:35.61 5:13.24 +6.42
6. James MALTMAN [AUS] 4:36.48 5:14.72 +7.90
7. Hans LAMBERT [CAN] 4:37.15 5:16.03 +9.21
8. Joseph SMITH [GBR] 4:38.03 5:16.15 +9.33
9. Chris HUTCHENS [GBR] 4:37.93 5:16.44 +9.62
10. David HETHERINGTON [AUS] 4:42.23 5:19.68 + 12.86
48. Sho KADOWAKI [JPN] 5:18.79 6:02.16 + 55.34
52. Yousuke MIKI [JPN] 5:30.67 6:12.07 +1:05.25


DH Elite Women Final Results
1. Sabrina JONNIER [FRA] 4:49.66 5:28.35
2. Rachel ATHERTON [GBR] 4:52.34 5:32.36 +4.01
3. Tracey HANNAH [AUS] 5:00.53 5:39.89 + 11.54
4. Tracy MOSELEY [GBR] 5:05.45 5:47.76 + 19.41
5. Fionn GRIFFITHS [GBR] 5:08.40 5:48.21 + 19.86
6. Mio SUEMASA [JPN] 5:06.93 5:48.62 + 20.27
7. Helen GASKELL [GBR] 5:09.11 5:50.43 + 22.08
8. Céline GROS [FRA] 5:10.06 5:52.06 + 23.71
9. Kathleen PRUITT [USA] 5:11.20 5:52.95 + 24.60
10. Marielle SANER [SUI] 5:13.77 5:54.22 + 25.87



DH Elite Men Final Results

1. Samuel HILL [AUS] AUS 4:15.29 4:52.01
2. Fabien BAREL [FRA] 4:16.17 4:52.65 +0.64
3. Gee ATHERTON [GBR] 4:21.71 4:56.38 +4.37
4. Greg MINNAAR [RSA] 4:23.54 4:59.96 +7.95
5. PasqualCANALS [ESP] 4:24.96 5:00.29 +8.28
6. Matti LEHIKOINEN [FIN] 4:24.39 5:00.93 +8.92
7. Julien CAMELLINI [FRA] 4:23.06 5:01.11 +9.10
8. Florent PAYET [FRA] 4:25.01 5:01.51 +9.50
9. Samuel BLENKINSOP [NZL] 4:25.34 5:01.77 +9.76
10. Dan ATHERTON [GBR] 4:26.54 5:01.99 +9.98
67. Steve PEAT [GBR] 5:01.37 5:39.56 + 47.55
86. Chris KOVARIK [AUS] 7:06.57 7:44.29 +2:52.28


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