2007年05月10日 13:26 written by Teisuke Morimoto
今年の開幕戦は三強という構図は変わらないものの、その一角に小さな綻びが生じたのでは無いか?と思わせる展開となった。
そもそも、誰が言い出したのか三強とは井手川、内嶋、安達の3人を指すのだが、実際に昨年のJシリーズではこの3人以外は表彰台に乗っていないし、全日本選手権では安達の替わりに柴田幸治が3位に立っただけだ。この三強に柴田、丸山弘起、丸山由紀夫、向原健司、櫻井孝太、青木卓也などと言った面々がどこまでトップ3に迫れるのか?という構図だったが、この開幕戦にはフルタイムワーカーとなった丸山由紀夫は姿を見せず、塚本岳、金子真吾のBGH組の2人も富士見パノラマに留まった。
好天に恵まれた当日路面もドライとなり、コース後半にはシングルトラックが設けられ、名物のハイスピードセクションは細かいスイッチバックが連続するセクションへとコースに手が加えられた。
11時15分、昨年のランキング1位の井手川から予選がスタートする。1位で通過したのは永田隼也。例年はシーズンの終了後にホンダにバイクを返却する必要があり、オフシーズンには満足に練習ができない場合が多かったようだが、今年はチーム監督である井手川と共に走り込みが出来たようで、いきなり自身初の予選1位という形でその成果は姿を現した。2位にはここ箱館山を得意とする向原健司、3位に内嶋亮となる。5位の丸山弘起まで、トップから4秒以内に位置する混戦模様だ。
15時、24度と夏を思わせる快晴の中、予選結果のリバーススタートで岩手信から決勝がスタートした。井手川はワンストップしたため、「これはヤバイかな?」と思ったものの、ゴールで目標タイムの22秒台だっため、「これは(永田)ジュンヤが来ない限りいけたかな?」と思ったという。しかし最終走者の永田は39秒で14位となり、ここで井手川の開幕戦優勝が決まった。
チーム監督として井手川はこの永田のリザルトに、「まぁ、いいんじゃないですか。(予選)1位という結果が出ているから」と決して悲観していない。永田は「ギャップがあるじゃないですか。水切りみたいな?左コーナーの出口で踏ん張ろうと思って、そこで力を抜いていたらすくわれて、気がつけば顔面に木があって。これも経験ということで次に繋げます」と悔しさをにじませながらコメントした。

2位に3秒以上の差を付けて圧勝した井手川。今年はレーパンを使用せず決勝も普通のモトパンで走る模様だ。フォークが昨年のKYBからショーワに。
2位の安達は昨年優勝している相性の良いコースだっただけに納得はしていない模様だった。「まぁまぁじゃないかな・・このバイク乗って6日目だし。それにしては上出来じゃないかな、と俺は思うけど。そりゃ、勝てば良かったけど・・」予選で転倒しながらも8位だっため、いけるかも?という感触はあり、自分の目標タイムも達成できたがそれ以上に井手川のタイムが上回った。

2位の安達。独自設計のバイクが間に合わず、急遽1週間前にキャノンデールを組み上げて箱館山入りした。オリジナルバイクを諦めた訳では無く、引き続き開発は続けるという。ゴーグルがSmithからUTOPIAに。

決勝で転倒、14位となった永田隼也。フォークを昨年のショーワからKYBにスイッチ。
対照的に明るい表情だったのは3位の向原健司だ。
「いやーもうそろそろ世代交代して行かないと。隼也と俺とで。順位として三強に入れたのは嬉しいけど、走りとしては満足してないですね。コースを見ながら走ってしまって。手前からブレーキを引きずってしまっているので、全開放で突っ込んで一気に曲がりたかったですね」と反省点も口にする。

向原のバイクはリアサスペンション、フロントフォークは重力技研の萩原氏によってチューニングされている。INDUSTRY NINEの完組ホイールはCNC製のアルミ製スポークを採用しており剛性が高く、リアハブは90ノッチのためコーナーの立ち上がりでキックバック出やすいため、気に入っているという。
三強の一角を崩された形の内嶋は、「俺の体の問題かな。もう少しトレーニングをしてこないとダメだったかな。ちょっと怪我もあったりして、トレーニングも乗り込みも足りなかったし、レースモードに入るのが周りよりも遅かったかな」「そこで(向原)に入られたっていうのはマズいんだけど、自分の中でできる走りはしたつもりなので、これをバネにして次に繋げたいです」と自身の体制作りや怪我による準備不足を認めた。

テックインにスイッチした丸山弘起。5位の成績に満足げだった。

6位の青木卓也。今シーズンは安定して一桁に入れるか?バイクのサイズもフットし、調子は上がっているという。

7位の櫻井孝太。スタートリストにはチーム名がキャノンデール・ディアドラレーシングとなっているが、正しくは「チーム・櫻井孝太」だということだ。

9位にはアキジュニアファクトリーチームの監督として忙しそうな竹本将史。各年代のトップが所属するため、10年後にはレース界を席巻するだろと予言する。実際、チーム員が参加した全てのカテゴリーで優勝した。フルサイズのDHバイクでは無く、軽量なスティンキーデラックスを使用した。

永田ばかりに注目が行きがちだが、昨年のJr DH王者の門脇祥は10位に。

大島礼治によるバイクカンパニー、basssound。テックイン製のフレームで、リアユニット、フロントフォークのセッティングに味付け加えて販売するという。

向原健司のKHS。INDUSTRY NINEの完組ホイールはアルミCNC製のスポークを採用しおり、剛性が高いのと、リアハブが90ノッチであるためコーナーの立ち上がりでキックバックが出やすく、前に出るため気に入っているという。

和田良平はインテンスの代理店がプレスからFFCへと変わったが、あえてインテンスを購入、しかも選んだフレームはSOCOMで、シングルクラウンのロックショックス・トーテムをインストール。軽量に仕上がっており、絶好調だという。

DHバイクが間に合わず、アメリカで受け取った6.6で参戦した末政実緒は2位の中川ヒロカに12秒差をつけて優勝。DHバイクは現在ワールドカップのために滞在中のスペインで受け取るということだ。

日本のフリーライドシーンの草分けで第一人者、加納慎一郎は数年前からショーワの社員としてモトクロスのサポートなどに携わっていたが、今年はMTB部門に配置換えとなり、ワールドカップとJシリーズを転戦する。今頃はスペイン入りしているだろう。
2戦目は6月3日に富士見パノラマで開催されるが、1.8kmのショートコースとなることが発表されており、内嶋の富士見不敗神話に新たなページが書き加えられるのか、それとも新たな神話が生まれるのか、今から注目が集まる。
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